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平成19年5月1日 |
本物のかたくりを作ろう |
盛岡藩献上品 新たな特産に |
カタクリから本物のかたくり粉を作ろうー。西和賀町内に広く自生するカタクリの新たな活用を打ち出した「カタクリの里づくり協議会」(瀬川強会長)。保護活動関係者や行政、観光、農林、商工業者など町内の各分野の人たちが集まり、保護・研究に加え特産品開発も盛り込んだ、日本一のカタクリの里を目指す活動が始まっている。 古くは江戸時代、盛岡藩の献上品の一つとして知られていた「南部カタクリ」。全国でもかたくり粉を献上していたのは盛岡藩だけとされる。自生地保護だけにとどまらない、西和賀の人々が広くかかわることのできる事業として十年計画で立案された。 現在売られているかたくり粉は、ほとんどがジャガイモから作られているだけに、西和賀町だけにとどまらない、本県の特産品としてPRできる可能性も持つ。 (りんけじ) 製法は地下約20?の鱗茎を掘り起こし細かく砕き水を加え綿布でこす。こした液のでんぷんを沈殿させ、数回繰り返し乾燥させると製品となる。十年ほど前に瀬川会長らが取り組んだ試作は、二時間の工程を経て、350グラムの原料から64グラムの製品が出来上がった。 原料となるカタクリは、圃場で栽培されたものを使う。カタクリは花が咲くまで七年以上かかることもあり、四、五年で育つよう研究を進める。群生地の保護と合わせた計画だ。 同協議会副会長で雪国文化研究所研究員の小野寺聴さん(45)は、「カタクリは雪が消えて平均一週間で咲く。地中で生育している時期も含め特質を明らかにして栽培のヒントを探りたい」と目標を語る。 「岩手日報」平成19年5月1日 < ![]() 【参考】 かたくり献上に関する史料 |